(夕暮れ前の石徹白川・クマ)
7月13日 林谷・他
先週はこの釣りレポをサボりましたが、釣りには行っておりました。庄川あたりで貧果。もっとも貧果だったからサボった訳ではなくって、実は、ヤフオク初出品をしておりまして、それでオークションヘルプとにらめっこばかりしておった訳です。幸いにも、希望価格よりちょっと高く落札されて、ヘルプの指示にしたがって即時に落札者様へ返信。それから落ち度の無いようにと落札者様と連絡を取り合って、こっちでちょっとミスをして謝って、そして10日に商品を送って、ようやくホッとして、それで、ぐったり疲れてしまっておったのです。だからもう、先週の事なんか忘れてしまった。

本日は林谷へ行く。現地についたのは11時くらい。やや増水ですかね。
例によって、いつもの所へ車を止めて林道をちょっと下って川へ降りる。最近は林谷へ来てもここしか入りません。なぜかと言うと、この辺が一番楽に歩ける区間だし、1時間ほど釣り上がると車のすぐ横に出て、昼食にも非常に便利だから。まあ、軟弱な釣り人な訳です。
さて、川へ降りて下の大淵を見ると、水面に数匹のアマゴが見えた。これは釣れるかも知れんと思ったものの、前半の1時間で0匹。やはりこの季節はツライか。

それからおにぎり食ってビール飲んで、藤沢周平さんの「竹光始末」を読む。この人の短編集は、1編を2〜30分で読み切れるから、川での読書には調度よろしいのです。また、その読後感も清々しいから、不思議と川に合う。なんかサッパリして、前半の不釣を忘れさせてくれるせいかな?
その後また釣り上って、2時間ちょっとで2匹でした。

林谷を出たのが3時半で、もうちょっと釣りたい。いろいろ場所を考えた結果、前坂谷にした。
ここはしょうもない谷ではありますが、小一時間で2匹釣った。納竿は5時とやや早め。すぐ横に林道があるとはいえ、場所柄あまり気持ちのよい谷ではないから。

そして帰り道、林道を出て県道をちょっとだけ走った所の石徹白川の河原でクマを見た。正確な場所は、和泉スキー場の下、さっき私が釣った前坂谷が、石徹白川に出合った所です。私はカメラを持って車から飛び出した。
そのクマは、対岸に向かって「ウォンッ!ウォンッ!」と叫んだと思ったら、ザブリと川に飛び込んだ。そして私の視界から消えた。クマの対岸とは私の立ってるこちら側なので、もしそのまんま真っ直ぐに進んだとしたら、私の20m先を通り過ぎる事になる。急に怖くなって車に戻って窓も閉めた。
でも、しばらくたってもクマは現れない。それで恐る恐る車から出て、もう一度川原を見た。
するとクマは、元いた岸へ戻っていて、それから山の中へと消えて行った。そしてその後ろを、小さな小さな2匹の仔グマが追いかけて行ったのでした。あの「ウォンッ!ウォンッ!」の叫び声は、きっと仔グマを呼んでいる声だったのです。

今回は、私の念願であった「クマをカメラに収める」事に成功した訳ではありますが、標準ズームでは、あまりにもちっちゃくにしか写らん。次回このような機会があったなら、川原まで走って行って写さねばなりません(ウソ)。

(暑さの厳しい折、皆様ご自愛下さいマセ)
7月20日 林谷 晴れ
またまた林谷です。同行者は船長。
10時に現地に到着して川へ降ります。やや渇水。日差しは暑いし、ここのところの状況を考えると厳しい釣りとなりそうです。で、釣る前に、船長ビールを頂く。相変わらず美味しいですね。ランクはAAです。ところで、掛軸ビールの船長評価は今までCかCCだったのが、先週からBBBに格上げしてもらいました。株価急進。でも市場に出す前に、多分、自分で消化してしまうでしょう。
この日船長は、テンカラを振る。ハリスの先にはドライフライ。水面で釣りたいらしい。でもそれは間違ってると思う。本来テンカラというものは水面直下の釣りな訳で、フライで言う1インチマジックの世界を3.3mの竿で自在に釣る、日本の渓流に合った職漁師の釣法なのです。だから一杯釣らないといけない。そもそも水面だけで釣りたいと思ったのなら、それはフライの方がきっと有利なのです。私はその事を、昼食時にとうとうと説いた。それで船長は、後半には沈めて釣ったけれど、やはりあんまり釣れなかった。ただ、魚の反応はあがったらしい。あとは修行を積まねばなりません。テンカラというのは、そういう釣りなのです。奥は深いのですよ。

前半の釣果は船長0匹、私1匹。まあ、こんなもんです。
昼食は船長にまかせっきり。鍋にキャベツとピーマンと鶏肉を入れて、そこへ渓ちゃんの素(大坪醤油)を適量入れる。蓋をして暫く待って、その蓋を開けると、ブワッと地味噌(郡上味噌)の香りが漂う。この香りは昔懐かしい。そう、子供の頃、「ガラスビン」でクソンボ捕りをした時に、その寄餌として入れた、味噌と米ぬかを練りこんだヤツの香りでした。
この「ガラスビン」という漁具は、径20cm×長30cmの筒状で、先端は牛乳瓶の入り口くらいで、そこに布を当てて、後端はロート状に内側にえぐれてて直径3cm位の穴があいてます。それを一晩川の中に沈めておくと、クソンボはその寄餌に誘われて、そのロート状に沿って「ガラスビン」の中に入りますが、出口がどうにも判らない。そして我々に捕獲されてしまうのです。(この漁具は、現在、岐阜県内水面漁業規則により禁止されてます)あの中には時折小アマゴも入ってて、その時には有頂天に上ったものです。そんな幼少頃の、懐かしい味でありました。
それからまたまた船長ビールも頂いて、今日は船長にまかせっきり。この埋め合わせには、私の特製テンカラ針を差し上げます(アキオやシュウの絶賛の毛ばりです)。

後半の釣果は、船長1匹と私2匹。まあ、こんなもんでしょう。

翌日、一人で林谷を訪れましたが、ボウズに終わってしまいました。

(牛道川の流れ)
7月27日 牛道川 曇りのち雨
今日は久々の牛道です。近頃は林谷ばっかりだったものですからね。
現地到着は10時半。以外にも先行者の車はありません。こりゃ釣れるかも知れんぞ。いそいそと仕度をして杣道を数分歩いて川へ降りる。空は曇ってるけれども、そのうち晴れて、暑くなることでしょう。とりあえずプシュりとやる。仕掛けを作って小さなポイントに投げたら仔イワナが反応した。エヘへ。残りのビールを飲み干して、その上の流れをパチパチするも駄作に終わる。
その10m上流で仔イワナを釣って、その5m上流で良アマゴが出たけど乗らなかった。ちょっとフィーディングレーンを外しすぎたようです。そしてその5m上流で18cmイワナを釣ってパチパチする。ここのイワナらしい黒い魚体で、バックの川底の濃さに沈んで見ずらいけど、この川底だからこそのイワナです。私はここのイワナが一番好き。
まあ、この時期の私としては快調なスタートだったのですが、そのイワナの写真を撮ってる最中にポツポツと雨が降り出した。でもすぐに止むでしょう。とりあえず大木の下に身を寄せて雨宿り。そう、この連日カンカン照りだったので、まさか雨なんて降るとは思わなかったからカッパなんぞ持参しなかったのです。それで雨は、15分もしたら上がって、薄日まで差しだした。やっぱり通り雨だったのでしょう。
雨の上がった渓流に薄日が差し込んで、これがまたフォトジェニック。またまたパチパチやりますが、やはり駄作に終わる。カメラを竿に持ち替えて18cmを釣る。そしてまたポツポツときた。
大木の下に避難。そして10分後には雷が鳴り出した。枝葉からの水滴も気になるし、まさか谷の中の木に雷が落ちるとも思わんけど、やはり木の下では気持ちよくない。雨の中を20mばかり下って岩陰に身を潜める。ここは上から降ってくる雨は完全に防いでくれますが、手前の落ち込みからの水しぶきが気になる。そして雨は一向に止む気配も無くますます雨脚を強める。雷もどんどん大きくなるし、途中で濡れた服が落ち込みの冷気にさらされて、だんだん寒くなってきた。腹も減ったし・・・。
このまま雨宿りしててもツマランし、大降りになってもコトだと考えて、雨の降る中、やむなく撤収。ビショビショになりながらも、とりあえずカメラだけは守った。そして車に戻ったのが1時過ぎ。その後土砂降りとなったのです。
この日の実釣時間30分、写真撮りに30分、歩き15分、そして雨宿りに1時間以上も費やしたのでした。

帰宅後、本日の天気予報を確認したところ、飛騨地方・午前中曇り・午後から雨、との事。なんだ、予報通りじゃあないか・・・。
皆さん、釣行前には天気予報を確認しましょう。